〜目次〜
はじめに
年に2回、地域の事業者さん等と連携して行っている親子向け産業観光イベントを春休み期間中に実施しました。
過去の産業観光イベント記事はこちら
イベント実施目的
当イベントは、コンテンツの新規開発や内容のブラッシュアップを目的に春休みと夏休み期間中に定期的に行っていますが、今回は少し趣旨を変えて実施することになりました。
ディスカバー東広島の公式WEBサイト「東広島 観光おでかけナビ」のSEO対策を行うなかで、検索上位に表示される市内の体験、見学イベントの詳細情報がWEB上に掲載されていない、又はアクセスしづらいことがわかりました。
よって今回の春休みイベントは目的を以下に整理し、実施することにしました。
- 検索ニーズの高い体験コンテンツを提供される事業者さん等と連携してイベントを実施し、検索者(観光客)が求める情報を記事化し発信する
製造業を中心とした企業が多く集積する東広島で、工場見学等の産業観光の体験風景記事が整理されることで、観光客が情報にアクセスしやすくなり、またディスカバー東広島の公式WEBサイトのSEO対策にも繋げ、発信力を強化していきます。
イベント内容とワンポイント
イベント実施概要は以下の通りとなります。
実施期間 | 3月25日~4月6日 |
参加者人数 | 延92組 276名 |
参画団体 | 食協、椋梨ダム管理事務所、日本コルマー、サタケ、中国電力ネットワーク、広島中央エコパーク |
LP | https://east-hiroshima.info/news/news/news_20230214 |
周遊観光促進
予約者に送付する案内メールに、イベント実施ポイント周辺の観光スポット情報を記事化したURLを記載しました。
今回は6団体が参画するため、イベント実施ポイントから周遊しやすい観光スポットに合わせて、記事を2パターン(市内北部エリア、市内中部エリア)作成し、配信しました。
そしてイベント終了後に参加者に対してアンケート調査を実施することで、記事内で紹介したスポットに周遊観光を行っているか(行う予定か)、調査を行いました。
プロモーション
今までイベントチラシを作成し、市内の学校に配布を行っていましたが、今回からはオウンドメディアやWEB広告等のデジタル媒体のみでプロモーションを実施しました。
オウンドメディア
ディスカバー東広島の公式LINEアカウントを活用したアンケート調査に回答いただいた方々とそうでない方々とに別けてABテストを行い、クリック率やCVRにどれほどの差が現れるか検証を行いました。
WEB広告
セールスプロモーションを行う際に活用しているディスカバー東広島の公式LINEの登録者の約8割が東広島市在住となります。今後、さらに周遊観光を促進していくためには広島市などの周辺市町への発信力も強化していく必要があります。
よってディスカバー東広島の公式Instagramを媒体に選定し、WEB広告を広島市の子育て世代の女性にターゲットを絞り配信を行い、ランディングページにはディスカバー東広島のLINE公式アカウントの登録バナーを掲載することで、イベント集客だけでなく広島市のターゲット層の方々のLINE登録促進も狙いました。
アンケート集計結果
参加者の方々に実施したアンケート調査の結果は以下の通りとなります(全37件)
出発地
広島市 | 11件(29.7%) |
東広島市 | 23件(62.1%) |
その他 | 3件(8.1%) |
流入経路
ディスカバー東広島オウンドメディア | 26件(70.2%)※LINE:15件、Instagram:6件、HP:5件) |
家族や知人等からの口コミ | 8件(21.6%) |
その他 | 3件(8.1%) |
満足度(5段階評価)
体験・見学内容 | 4.92 |
スタッフの説明 | 4.95 |
スタッフの対応 | 5.00 |
全体スケジュール | 4.81 |
総評 | 4.89 |
主催者認知度
「主催者のことをイベント参加以前からご存じでしたか?」
YES | 15件(40.6%) |
NO | 22件(59.4%) |
周遊観光実態
「当イベントの前後に訪問する(した)おでかけスポットや飲食店は?」
道の駅 | 8件(広島市:2件、東広島市:6件) |
地域飲食店 | 9件(広島市:5件、東広島市:4件) |
なし | 13件(東広島市:9件) |
分析と今後のアクション
参画団体のイベント実施目的
イベント参画団体は公的な施設や、歴史ある地元企業となりますが参加者からの認知度は4割という結果になりました。
今回の様なイベントを実施することは、地域事業者さん等の目的でもある、団体やそのサービスの認知度UPやファン層の形成等にも効果があることが伺えました。
満足度に関しても全項目で5段階評価中、4.8ポイント以上という結果となり、「スタッフの対応」では全参画団体にて満点の5ポイントとなっており、参画団体の方々のホスピタリティが企業のイメージアップにもつながっていることが伺えます。
イベント実施目的整理に関する記事はこちら
周遊観光促進
予約者に送付した周辺施設のお勧めスポットに道の駅も含めていましたが、その他に掲載していた牧場やクラフト体験、パークゴルフ等への訪問を促すことはできませんでした。
道の駅はもともとイベント参加者の方々に認知されており、おでかけ先としても定番化されていることが予想され、旅マエの予約時の案内メールのみでは新規のおでかけ先にまで誘導することは難しく、イベント後のチラシ配布などによる旅ナカでのアプローチも併せて実施することが重要となってきます。
また参加者の方々に周遊するメリットを訴求するために、市内商工団体や観光協会と連携してチラシにクーポンやスタンプラリー等をつけ、その利用率で実績の評価、分析等も次回以降、実施できるように進めていきます。
プロモーション
オウンドメディア
公式LINEによるABテストの結果は以下の通りとなり、アンケート回答者の方々のCVRは6%以上とディスカバー東広島がターゲットとしているファミリー層の方々が多く含まれていることが伺えます。
配信数 | クリック率 | 予約数 | CVR | |
アンケート回答者 | 180 | 51.9% | 12組 | 6.6% |
上記以外の登録者 | 983 | 26.5% | 11組 | 1.1% |
引き続きアンケートを年次で実施していくことで、住民の方々の観光地域づくりに関する参画促進度合を調査していきます。
WEB広告
表示回数 | 88,219回 |
クリック数 | 973回 |
クリック率 | 1.10% |
フリークエンシー | 5.84回 |
新規LINE登録者数 | 33名 |
フリークエンシーはラスト1週間で3.46回から5.84回へと一気に上昇し、ターゲット層へのリーチが天井に達したことが伺えました。
広告掲載期間が短かったため属性を「子育て」や「教育」等のワードで固定し、Advantage詳細ターゲット設定をオフにしていましたが、「社会科見学」などの関連ワードをもう少し含めておいた方が効果的な配信になったと考えています。
Advantage詳細ターゲット設定とはパフォーマンスを向上できそうな場合は、現在の詳細ターゲット設定よりも広い範囲のユーザーにリーチする機能のこと
年齢別でのクリック率は、小学校高学年を対象年齢とした参画団体もあったため、35~44歳が最も多い結果となりました。
LINE登録者数は1,257名から新規登録数が33名増加し、合計で1,290名となりました。
地域一体となった情報発信
イベントの実施に関して参画団体のHPやSNS等からの情報発信も行っていますがアンケート上では流入が見受けられませんでした。
ディスカバー東広島のプロモーションのみではリーチできない層もあるため、普段から顧客やサービス利用者との接点を持つ参画団体からの情報発信を連携して効果的に行うことで、地域一体となったプロモーションを促進していきます。
イベント参加者や参画団体コメント
ドローンや高所作業車など、子供に普段できない貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。
中国電力ネットワークの体験イベントに参加いただきありがとうございました。雨のため一部の体験が変更となってしまいましたが、参加されたみなさんの楽しそうでキラキラした表情を見て、私たちもとてもうれしく感じました。当事業への参加は2回目ですが、昨年度よりもさらに私たちの仕事をご理解いただける内容となったと思います。これからもよろしくお願いいたします。
地域の魅力を記事として発信
イベント実施目的であった体験記事は以下となります。
上記の記事を掲載したことによる検索流入などのSEO分析はまた後日、報告していきます。
おわりに
次回の産業ツーリズムイベントは、現在までディスカバー東広島が連携した事業者さん等に夏休み期間中のイベント実施案内を行い、イベント実施目的に沿い、メリットを感じられた方々自らが主体的に参画してもらえるよう運営することで持続可能な観光地域づくりを促進していきます。
追記(2023.9.11)
過去に連携して産業観光を行ったことのある7団体に対して、2023夏の実施案内を送りました。その際に今までDMOが引き受けていた申込者からの問合せ対応や現場でのオペレーションは参画団体が担うことを案内しました。(引き続きイベント内容のブラッシュアップやプロモーション、予約受付サイトの提供はDMOが実施)
結果、2社が参画することとなり事業者による自走化したイベントが実施され催行日数は9日間、参加者人数は延231名となりました。
ディスカバー東広島が伴走支援を行ってイベント等を共催する場合のリピート開催率は9割を超えるものの、今回は7団体中5団体が参画を見合わせたことから、本業を行いながらの問合せ対応等の負担が参画へのハードルとなっていることが伺える結果となりました。