〜目次〜
ディスカバー東広島の「食」に関する取り組み
① 来訪者が「食べるべきグルメ」をWEBサイトにおいて情報発信
② 東広島の特産品と飲食店の認知度向上と消費促進
③ 東広島の特産品「日本酒」を体験できる取組促進
今回の記事では、①~③のすべての取り組みに関わる、2024年3月~4月に行った「東広島グルメスタンプラリー」の詳細をご報告します!
実施背景
「観光」の視点から見た「東広島の飲食」の課題
ディスカバー東広島では、観光実態調査(2023年)や日本酒調査(2022年)を実施し、その調査を通じて次のような課題がみえてきました。
① 観光客の飲食率の低さ
② キーコンテンツである「日本酒」「酒蔵」は観光コンテンツとして認知されているが、それだけではメインの観光地になることは難しく、「酒蔵」+αが必要。
観光客の飲食率が低い理由(仮説)
① 観光客が東広島を訪れた際、「食べるべきグルメ」がわからない
② 東広島でメインの観光地である「西条酒蔵通り」の酒蔵等の閉店時間は16時が多く、夜の飲食につながらない
「食のブランド化」の視点から見た「東広島の食」の課題
一方で、東広島市ブランド推進課(食のブランド推進担当課)では、「東広島=おいしい」をブランドメッセージとしたいという課題がありました。
「東広島グルメスタンプラリー」の実施
こうした課題に対して、東広島への来訪者の飲食を促進させるべく、市の「東広島の食コンテンツページの制作・発信業務」の一環として「東広島グルメスタンプラリー」を実施することとなりました。
単に情報をまとめるだけでなく、キャンペーンと合わせて実施することで、①より多くの方に知ってもらうこと、②「東広島のグルメ」を体験してもらうきっかけにすること、を目指しました。
「東広島グルメスタンプラリー」の到達目標
長期的な目標
東広島を訪れた際に飲食をする流れを作る
「東広島=おいしい」のイメージを県民を中心に浸透させること
「東広島グルメスタンプラリー」の到達目標
① 東広島のグルメ情報を整理すること
② ターゲット層とニーズの高いグルメを把握すること<主に市外県内在住者のニーズ>
③ 上記をもとに今後の方向性を決定すること
長期的な目標を見据えながら、短期的な目標もおくことでキャンペーン実施の到達点を明確化し、一緒に事業を進める市と共有しました。
キャンペーン概要
弊社WEBページ「東広島おでかけナビ」内に制作していたグルメ・特産品ページ(外部リンク)に連動させ実施し、このページに掲載のある飲食店61店が参画しました。
参加者は、対象スポット(市内飲食店や観光スポット)を巡り、スポットに設置したQRコードを読み込むことでスタンプを得られ、スタンプがたまったら特典に応募できるデジタルスタンプラリーを実施しました。
特設サイトURL(外部リンク):東広島グルメスタンプラリー|グルメや観光スポットを満喫しよう! (east-hiroshima.info)
参加者は自分の好きなグルメやジャンルでMAP上でお店を探すことができ、お店に掲示してあるQRコードを読み込むとスタンプがたまります。
キャンペーンの設計にあたり留意したこと
- 観光客の参加率をあげ、市外の方に東広島ならではのグルメを楽しんでいただくため、グルメスポット(飲食店)でなく、観光スポットを対象としたこと
- イベントを目指して来訪した方に市内の他のスポットも楽しんでいただけるよう、4月の毎週土曜日に行われた「東広島蔵開き2024」と連動させたこと
- 参加のハードルを下げるため、アプリの導入不要で使用できるデジタルスタンプラリーシステムを活用したこと
- 参加者の属性(性別、年代、居住地)や動線(スポットの回遊順)を取得し、分析するためデジタルスタンプラリーシステムを活用したこと
実施結果
スタンプラリー参加者数
エントリーユーザー数:2,679人
性別と年代
ボリュームゾーンは40代女性。市外居住者に限定すると、50代女性がボリュームゾーンとなる。
居住エリア
市内参加者と市外参加者の割合はほぼ1:1となった。
アンケート結果
①イベント流入経路
※スタンプを1つ以上獲得した人(実際に飲食した人)のみ抽出
・WEBやSNSで知った人は3割程度で、半数以上は現地(飲食店や観光スポット)で知ったと回答
※エントリーのみで実際の来訪まで結びつかなかった人も含めると、WEBで知ったと回答した人は45%とその他の回答より多かった。
②おすすめのグルメ
スタンプラリー参加者に、「今回の企画で食べたもの、または、これまで東広島で食べたことのあるグルメの中で「また食べたい」、「人に薦めたい」と思ったものを教えてください」というアンケートを実施しました。
・市内居住者
東広島独自のグルメというより、固有の店舗名やメニュー名が目立った
・市外居住者
日本酒、コメカラ(米粉で揚げた唐揚げ)など東広島ならではのグルメが多く回答された
周遊の傾向
(スタンプが押された時間とその人数を表したもの *酒蔵来訪者除く)
今回の企画では夕方を境にスタンプを押す人が減った。
以上のことから次のことがわかりました(仮説含む)
① イベントや飲食店の情報を現地で得る人が多い
② 昼の来訪が、夜の飲食につながる数が少ない(観光客は夕方で帰宅)
③ 自由記述や訪問店舗を分析したところ、突出したグルメや店舗を発見することはできなかった(東広島=グルメというイメージはもたれていない)
④ WEB広告はイベントの認知度を高めるには有効だが、実際に行動変容を起こすまで至らない場合もある
目標の達成度
① 東広島のグルメ情報を整理すること
WEBページとMAPの併用でグルメ情報を整理することはできました。
② ターゲット層とニーズの高いグルメを把握すること<主に市外県内在住者のニーズ>
市外居住者では50代女性が多く来訪しこの企画に参加していることがわかりましたが、求めているグルメについて傾向を見ることはできませんでした。
③ 上記をもとに今後の方向性を決定すること
自由記述や訪問店舗を分析したところ、突出したグルメや店舗を発見することはできず、東広島にグルメというイメージはがないため、テーマ性を持った情報発信が必要となることを市に提案しました。
目的とは別の成果も!
今回の飲食店との連絡ツールとして、事業者用LINEを導入しました。
これを導入したことで、こちらが送った連絡を、飲食店の忙しい時間帯以外に見ていただくことができるようになり、情報を共有しやすくなりました。
今回のスタンプラリーでも、お客様の反応や随時報告を飲食店の皆様にタイムリーに情報共有することができました。
また、オフィシャルLINEを使用することで、スタッフ個人でなく、組織としてつながれるようになったため、それぞれの担当分野に応じて素早く対応をすることができるようになりました。
今後の展開
飲食店とのつながりの強化
今回のキャンペーンでできたつながりを、飲食店の役に立つ情報共有に活用し、タビナカでの情報発信連携やキャンペーンへの参画などつながりの強化を行っていきます。
現地での情報発信の強化
WEBやSNSで情報を発信することはもちろんですが、既に現地に来ている人たちがまず飲食店に立ち寄ることを促し、「東広島には飲食を楽しめる場所がある」ということを定着させていく必要があります。
そのために、飲食店にヒアリングを行い、事業者様のニーズも確認しながら、特に観光客やビジネス客が多い地域では、「飲食店に設置するのぼり」、「紙ベースの飲食店紹介」、「飲食店に置く共通メニュー表」など現地で情報を得られる販促物制作を予定しています。
推すグルメ
現地での情報発信については、市外の方の期待度が高いメニューを中心に発信していきます。また、キャンペーン等で市内の周遊促進も実施していきます。