事業報告

特産品PR|グルメイベントの企画開催

はじめに

202311月に道の駅 西条で行われた市内10の飲食店が出展する丼ぶりをテーマにしたグルメイベントが大盛況となり、食資源を活かしたコンテンツ開発を推進する東広島市として、大きな可能性を感じさせる結果となりました。

イベント実施ノウハウや成功要因等を東広島市にご共有いただき、グルメイベントのメインターゲットがDMOの第1ターゲットである「市内周辺市町のヤングファミリー層」であることが伺えたため、今回『お子様ランチフェス』と題して、普段からファミリー層の利用割合が高い道の駅 福富と連携してグルメイベントを企画実施しました。

イベント実施目的

今までに主催者やDMOで食に関するイベントを実施した経験がなかったためイベント実施目的は以下に設定して企画調整を行っていきました。

  1. スモールステップによるグルメイベント実施ノウハウの蓄積
  2. 東広島の特産品と飲食店の認知度向上と消費促進

イベント概要とアンケート集計

『お子様ランチフェス』にはメインメニューだけでなくサイドメニューやデザートを付け、メインメニューはブース出展している市内5つの飲食店からメニューを当日選択できる内容としました。

ランディングページ:https://east-hiroshima.info/news/news/okosama-lunch-festa

イベントの概要情報とアンケート集計結果(全80件)は以下の通りとなります。

1.性別

2.年齢

 3.本日はどなたとイベントに参加されましたか?

4.どちらからお越しになりましたか?

5.イベントの各満足度はそれぞれいかがでしたか?

6.イベントを知ったきっかけは?

7.チケットタイプ

8.前売りチケット利用者のイベント認知経路(クロス集計)

9.当日チケット利用者のイベント認知経路(クロス集計)

10.選択されたメインメニューを提供している飲食店をイベント前からご存じでしたか?

 

11.道の駅 福富に今までに何回来たことがありますか?

12.道の駅 福富内にあるレストランで今までに何回お食事をされたことがありますか?

13.施設来訪回数とテナント利用回数(クロス集計)

14.東広島の特産品・グルメと聞いて、思い浮かぶものは?(自由記述/複数回答可)

 

15.今日が雨であってもイベントに参加していましたか?

16.ご感想等

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参加者

ご飯とてもおいしかったです!またこのようなイベントを開催してほしいです!子供もすごく喜んでました

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参加者

子供ランチというわりに幼児が食べられるものが少なかったのでレパートリーが欲しい

企画調整とアンケート分析

参画店舗の調整と道の駅テナントの収益

イベントの柱となるメインメニューを提供する飲食店は「子供が好きなメニュー」「主催者との取引経験」「イベント終了後のテナントとの連携」「丼ぶりイベントで好評だった店舗」等の軸で選定、調整を行いました。

実施目的2に沿い、イベント終了後も特産品や特産品を使用する飲食店での日頃からの消費を促進するため、価格的な訴求はせず、単価は丼ぶりイベントの2倍に設定しました。

グルメに関するイベントを道の駅 福富敷地内で実施することにより道の駅テナントの売上への影響が懸念されたため、グルメチケットで全参加者に付くサイドメニューとデザートは道の駅 福富のテナントが提供することとしました。

サイドメニュー、デザート共に満足度は5段階評価中、4.5以上()と高い数値となり、ターゲット層に対してテナントが普段から提供するメニューの訴求力が高いことが伺えました。

またメインメニューを提供する店舗としても道の駅 福富のテナントが参画することになり、お子様ランチらしさを演出するメニューを提供しました。

 グルメチケットには施設内での消費促進を目的とし、物販スペースや野菜入り場などで使える割引券を付け、割引券利用率は77.0%となりました。

今回出展した地域飲食店の認知度は23.8%となりますが(10)、満足度も高いことから(5)、イベント出展とそこでの飲食店情報の案内により、日常使いを促すことが期待できることが伺えました。

一方で参画店舗の巻き込みやコミュニケーションには改善の余地があり、子どもが好きなメニューであるが食べやすい内容にはなっていないという声も一部ありました(16)。

道の駅訪問回数とテナント利用回数

道の駅 福富のリピーター率は81.3%となり、5回以上と回答した方は55%(11)となる一方で、テナントの利用回数を「0回」と回答した割合は55%と半数以上(12)になりました。

訪問回数(11)とテナント利用回数(12)のクロス分析でも、5回以上来訪していてテナントを利用したことがない割合は23.7%、テナントを1回利用した割合は11.2%と、道の駅 福富が開業して15年以上経過しますが施設で食事をとる習慣が未定着であることが伺えました(13)。

プロモーションと認知度形成

丼ぶりイベントの来場ボリュームゾーンとなったターゲット属性でセグメントを絞りWEB広告を実施し、WEB広告としては非常に高い8%以上というクリック率となりました。

丼ぶりイベントとの認知経路の割合を比較すると、「道の駅 西条と市」を合わせて51%、「道の駅 福富とDMO」で合わせて47.5%となり、大きな差はありませんでした。

今回、複数の軸で出展飲食店の声掛けを行ったたことにより、企画内容の調整に予定以上に時間を要してしまい、1カ月前からプロモーションを開始する予定でしたが、実際に確保できた期間は11日間のみとなりました。

期間不足になったことにより、人流データから道の駅 福富と前後観光が行われている拠点へのポスター掲載(丼ぶりイベントで10%を占めている)やDMOにて毎春実施している親子向け春休みイベントとの連動した広報などクロスメディアによる情報発信を実施することができませんでした。

一方でイベント当日のポップ設置や施設来場者への案内によって「たまたま寄った」方々の割合はお子様ランチフェスの方が8.5ポイント高い結果となりました。

「グルメイベントxオンライン予約決済」の試行

グルメイベントだけでなくマルシェやお祭り等は、どのくらいの方々に当日来場してもらえるか予測が困難なイベントとなります。

食材調達や仕込みを行わなければならない参画店舗の不安要素を少しでも軽減し、イベントの事前関心度の見える化が可能となるか、今回、試験的に前売りチケットをオンライン予約決済で販売することとしました。

また予約フォームに「5種類のメインメニューの中で、どの料理が一番気になっているか」という設問を設け、数値を主催者に共有すると共に、イベント当日に前売りチケットが各参画店舗で何枚ずつ利用されたかを集計しました。

11日間の販売期間で119枚の前売りチケットを販売することができましたが、残念ながら予約時の事前興味と販売実数の相関関係を検証するには十分な値にはなりませんでした。

※事前興味と実数の差(4)はカウント

日別の予約件数を確認したところ、予約はイベント直前に集中しており、前日と2日前の合計で全体の51.3%となりました。予約行動に天候条件が大きく影響していることが伺えたため急遽、アンケート調査内容に天候条件に関する設問を追加しました(15)

(天候条件や急な都合によって予約をキャンセルすることも想定されたため、キャンセルポリシーは前日17時まで0%としていました)

もしも雨だった場合に「参加しない」と回答した方は31.3%となり、「雨の具合による」と回答した方と合わせると78.8%という結果になりました。

悪天候となった場合も施設敷地内にある多目的ホールにて飲食ができる旨、LPやアンケート説明文にも記載していましたが集客や当日の販売数は天候条件が大きく影響を及ぼしてしまうことが伺えました。

当日の受付オペレーションとしては、オンライン予約決済時にQRコードを自動送信することで、スムーズなチケットの受け渡しが可能となり、来場者の待ち時間の短縮による高い満足度()だけでなく、受付業務の効率化を実現することができました。

地域イベントへのオンラインチェックイン導入事例はこちら

地域イベントのDX化による持続可能な賑わい創出

おわりに

当初予定していたよりもプロモーション期間を十分に確保することができませんでしたが、前売りチケットのみで提供可能数の約20%を販売できたため、「事前予約までは至らないが来場意欲の高い方々」や「イベントを認知せずに施設に来場された方々」で提供可能数まで完売することができるのではないかと前日の時点で予想をしていました。

しかし結果は提供可能数の43.2%に留まりました。WEB広告だけを見てもリーチ数は丼ぶりイベントの14.9%にしか達しておらず、イベントに関する認知を十分に高めることができなかったため「事前予約までは至らないが来場意欲の高い方々」の母数が不足していたと考えられます。

また「イベントを認知せずに施設に来場された方々」に関して、施設リピーター率とテナント利用回数のクロス集計からも確認できる通り、ターゲット層が道の駅で食事をとる習慣が未定着でありポップや受付での案内の効果はあったものの完売にまで至ることはできませんでした。

その他、以前行ったアンケート調査からファミリー層のニーズが高いフリーマーケットや働く車の見学イベント、料理教室イベント等を同時開催することで、当日の来訪者数を増やす計画をしていましたが調整することができませんでした。

DMOとして初のグルメイベントの開催となり、データから方針決定や企画立案を行いましたが、今回、主催者や飲食店の方々の事情を考慮する視点が欠けていました。DMOの「M」が表すマーケティングとマネジメントの両方が大切であることを改めて実感する機会となりました。

引き続き東広島の特産品の認知度を高め、消費を促進していくために生産者や事業者の方々と信頼関係を構築し、地域に寄り添った取組を進めていきます。

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