
「東広島おでかけナビ」は、一般社団法人ディスカバー東広島が運営する観光ウェブサイトとして、2021年4月から本格的にスタートしました。この記事では、2021年4月1日から2025年3月5日までの運用期間に行ってきた取り組みやアクセス状況などをまとめてご紹介します。
〜目次〜
「東広島おでかけナビ」の概要
東広島おでかけナビは、東広島市内で開催されるイベント情報の発信や、体験・見学コンテンツの予約機能を備えた観光ウェブサイトとして、2021年4月に開設。東広島の多種多様な観光資源を、市内外の方々に知っていただき、関心を高めてもらうことを目的に東広島おでかけナビで情報発信を実施しました。
なお、2025年3月5日には、新たな観光ウェブサイトである東広島おでかけ観光サイト「ヒガシル」の開設に伴い、「東広島おでかけナビ」は役割を終え、閉鎖しました。

取組内容
2022年から2024年にかけて、「東広島おでかけナビ」の継続的なブラッシュアップを実施し、ユーザビリティの向上や情報の質・量の強化に取り組んできました。あわせて、運用保守会社と連携しながら、デザインの改善やテクニカルSEO対策など、約120項目に及ぶ改修を持続的に実施し、サイト全体の利便性と情報価値の向上を図りました。
主な取組スケジュール
2021年4月 | 東広島おでかけナビの運用開始 |
2022年7月~ | コンテンツの充実化 |
2023年4月 | 運用保守会社の変更 |
2023年4月~2024年3月 | テクニカルSEO・デザイン等の改修 |
2023年9月 | ご当地グルメ・特産品・店舗ページの公開 |
2025年3月5日 | 東広島おでかけナビの閉鎖 |
運用保守会社の変更
検索エンジンにページがインデックス登録されず、検索結果に反映されないといったSEO上の課題が顕在化していました。また、SEO対策やデザイン、機能面の改修には多くの業務量が発生し、一定の人的リソースの確保も必要でした。
こうした課題に対応するため、2023年4月より、十分な人的体制とSEOの専門知識を有する事業者へ運用保守を切り替えました。以降、テクニカルSEOをはじめとする各種改修を段階的に実施し、サイト全体のパフォーマンス改善に取り組みました。
コンテンツの充実
「東広島おでかけナビ」で掲載する記事の量と質の両面からコンテンツの充実化を図りました。
情報量の拡充
2022年6月までは、「イベント情報」と「体験予約」が主なコンテンツでしたが、同年7月からは、他の観光推進組織でも発信していなかった現地での楽しみ方などを伝える「体験レポート」の配信を開始し、51記事を公開しました。さらに、市内イベント情報の収集・発信も強化し、掲載数の拡大を図りました。
イベント情報 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 |
記事作成数 (リライト含む) |
102記事 | 81記事 | 67記事 | 73記事 |
また、情報が十分でなかった「ご当地グルメ・特産品」や「店舗情報」についても、2023年9月から本格的な発信を開始しました。具体的には、12のご当地グルメや特産品を紹介するとともに、それらを提供する東広島市内の飲食店81店舗の情報を掲載しました。
これにより、東広島市の観光資源をより多角的に紹介し、サイト全体の情報の厚みと魅力向上に繋げました。
記事の質の向上
イベント記事では、主催者からの情報に加え、ユーザー目線で知りたい情報を追記するなど、わかりやすく魅力が伝わるようライティングを工夫し、内容の充実を図りました。
また、「体験レポート」では、スポットやイベントをより深く掘り下げ、現地での楽しみ方やリアルな体験を具体的に紹介。これまで観光協会のウェブサイトでも発信されていなかった独自領域であり、全51本の記事を制作するなど、差別化を意識し、取り組みを進めました。
コンテンツSEOを意識した記事制作
SEO対策として、記事内の見出しタグ(h2・h3など)の適切な設置や、各記事へのディスクリプション設定、検索ニーズに基づいたキーワードの挿入などを実施しました。テクニカル面とコンテンツ面の両側からSEOに取り組むことで、検索結果における平均掲載順位の向上にもつながりました。
デザインの改修
2023年4月以降、ウェブサイトのデザイン改修を段階的に実施しました。運用保守業務の予算内で対応するため、ユーザビリティや改修に必要な工数を踏まえつつ、運用保守会社と協議を重ねながら各改善項目の優先順位を決定し、段階的に改善を進めました。
中でも、ユーザーの利便性向上を最優先課題と位置づけ、「見やすく、分かりやすい」デザインへの改善を目指して取り組みました。
トップページのデザイン
左(2024年6月時点)、右(2022年5月時点)のデザインです。
トップページでは、主に「東広島おでかけナビ」のメニュー構成や設置内容の改修を行いました。
東広島市観光協会が運営する観光サイトとの差別化や、本サイトならではの強みを意識し、表示メニューを絞り込んで整理しています。
また、旧デザインでは全体的に文字量が多く、視認性に課題がありました。そのため、視覚的にわかりやすく、必要な情報が直感的に伝わるよう、運用保守会社の協力を得て写真等のビジュアルを中心とした構成へと見直しました。
イベント一覧のデザイン
左(2024年12月時点)、右(2022年7月時点)のデザインです。


イベント・トピックス一覧ページでは、主にタイトルや掲載内容の改修を行いました。
従来は「東広島ニュース」というタイトルでしたが、検索エンジン最適化(SEO)を意識するとともに、ユーザーにとって内容をイメージしやすい名称へと変更しています。
また、トップページと同様に、以前はテキスト量が多く視認性に課題があったため、サムネイル画像を大きく表示するなど、視覚的なわかりやすさを重視したデザインに改修しました。
さらに、イベントの開催日や場所といった、ユーザーが優先的に知りたい情報を目立つ位置に設置し、ユーザビリティに配慮した設計としています。
テクニカルSEOに関する改修
検索エンジンにページがインデックス登録されず、正しく認識されていないといったSEO上の課題が発生していました。これに対応するため、テクニカルSEOの対策は運用保守会社が、コンテンツSEOの対策はディスカバー東広島が主体となり、両面からの改善を進めました。
【テクニカルSEO対策(一例)】
・サイトマップの生成および登録
・ページごとにユニークのtitleタグやdescripitionタグの設置
・内部リンクの設置 など
アクセス状況
訪問者数
運用期間(2021年4月1日〜2025年3月5日)の訪問者数(総ユーザー数)は、467,942名でした。
2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |
訪問者数 (対前年比) |
220,684名 (189%) |
116,407名 (152%) |
76,240名 (139%) |
54,611名 |
訪問回数
運用期間(2021年4月1日〜2025年3月5日)の訪問回数(セッション数)は、609,884回でした。
2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |
訪問回数 (対前年比) |
286,229回 (186%) |
153,864回 (159%) |
96,519回 (131%) |
73,272回 |
有料広告からの流入を除く訪問回数
ウェブ広告などの有料広告からの流入を除く訪問回数(自然流入による訪問回数)は、491,193回でした。
2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |
訪問回数 (対前年比) |
258,617回 (188%) |
136,842回 (223%) |
61,123回 (176%) |
34,611回 |
ページビュー数
運用期間(2021年4月1日〜2025年3月5日)のページビュー数は、1,070,465pvでした。
2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |
PV数 (対前年比) |
412,789pv (150%) |
274,037pv (131%) |
207,626pv (117%) |
176,013pv |
Google検索エンジンのクリック数
Googleの表示回数およびクリック数の推移は以下のとおりです。
2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |
表示回数 (対前年比) |
2,885,807回 (179%) |
1,611,966回 (201%) |
799,009回 (307%) |
259,980回 |
クリック数 (対前年比) |
117,427回 (236%) |
49,740回 (271%) |
18,339回 (218%) |
8,386回 |
平均掲載順位 | 12.4位 | 15.7位 | 19.7位 | 22.9位 |
今後の展望
これまで、東広島市内の各観光推進組織は、それぞれ独自のウェブサイトで観光情報を発信してきましたが、サイト利用者の利便性や、運営側の更新負担といった課題がありました。また、東広島の多彩な観光資源の魅力をより多くの観光客や市民に伝えるためには、情報発信の一元化が必要だったため、東広島おでかけ観光サイト「ヒガシル」を開設しました。
「ヒガシル」は、「東広島おでかけナビ」の運用を通じて得られた課題やノウハウを生かし、構築された観光ウェブサイトです。これからも、東広島の多様な観光資源の魅力を効果的に発信し、多くの人に届けられるよう、引き続きプロモーションに取り組んでいきます。