事業報告

2025年 東広島市観光統計・実態調査

はじめに

当ページでは、2025年に実施した観光統計調査、観光実態調査(WEBアンケート・対面アンケート・外国人アンケート)、人流GPSデータ等の結果をもとに、東広島市観光の現状を整理しています。

JSTS-D「A11 旅行者の数と活動の管理」の基準を踏まえ、観光客数、観光消費額、来訪者属性、旅行形態、満足度、再訪意向等を継続的に把握し、今後の観光地経営やプロモーション施策の検討材料とします。

関連調査は以下からご確認いただけます。
▼2025年 東広島インバウンドアンケート調査|観光目的編

2025年 東広島インバウンドアンケート調査|観光目的編

▼宿泊を伴う県外観光客の食・日本酒関心に関する分析|観光消費拡大に向けた重点ターゲット調査

宿泊を伴う県外観光客の食・日本酒関心に関する分析|観光消費拡大に向けた重点ターゲット調査

▼2025年観光客数・消費額月次モニタリングとインバウンドアンケート調査

2025年観光客数・消費額月次モニタリングとインバウンドアンケート調査

▼2024年東広島市観光統計・実態調査

2024年東広島市観光統計・実態調査

調査結果

総観光消費額と総観光客数(観光統計調査・外国人アンケート・対面アンケート)

2025年の総観光客数は約361.6万人、総観光消費額は約118.5億円となった。観光客数は目標値に対して約91.5%、総観光消費額は約95.2%であり、目標には届かなかったものの、前年と比較すると消費額は増加している。

県内観光客が約298.4万人と全体の大半を占め、消費額全体を下支えしている。一方で、県外観光客は約61.1万人、インバウンドは約2.1万人で、単価の高い県外・外国人観光客の取り込みが引き続き重要である。

特にインバウンドは1人あたり消費単価が約2.1万円と高く、総消費額では約4.4億円を占める。人数規模は限定的であるが、酒蔵・日本酒・宿泊を組み合わせた滞在型消費の拡大余地が大きい。

訪問経験・認知度(WEBアンケート・外国人アンケート)

WEBアンケートでは、東広島市の訪問経験者は29.1%であり、県内在住者では86.4%、県外在住者では27.0%となった。県内では一定の認知・訪問経験がある一方、県外では「知っているが未訪問」「知らない」層が多く、認知から来訪への転換が課題である。

「伝統的酒造り」の観光地認識については、登録されたことを知らなかった人が54.4%となり、酒蔵・日本酒の観光資源としての認知向上が必要である。外国人アンケートでも、西条の「伝統的酒造り」を「知らなかった」人が80.0%を占め、インバウンド向けの情報発信余地が大きい。

外国人来訪者の広島市・廿日市市以外の観光地認知度では、西条酒蔵通りは22.5%であり、尾道商店街や福山城などに比べて低い。広島県内周遊の選択肢として認知されるため、広島市・宮島からの動線上での露出強化が重要である。

観光客年代別属性(人流GPSデータ)

年代別では男性40代が14.6%と最も高く、男性50代、男性60代以上、男性20代・30代もそれぞれ1割前後を占める。

男性比率がやや高い背景には、ゴルフ場やスポーツ施設等の観測拠点の影響があると考えられる。一方で、女性20代から60代以上まで一定の来訪があり、市域全体では幅広い世代が来訪している。

同行者(WEBアンケート・対面アンケート)

 WEBアンケートでは、東広島市での遊び・観光・レジャー・体験・スポーツ時の同行者は「夫婦」が39.3%で最も高く、次いで「家族(未成年の子供連れ)」24.2%、「友人・知人・恋人」24.1%となった。

対面アンケートでは、同行者は「家族」が70.6%と高く、調査拠点ベースでは家族利用が中心である。特に道の駅や牧場系施設では、子どもの遊びや買い物、飲食を伴う日帰り型の利用が多いと考えられる。

夫婦・家族・友人のいずれも一定の割合を占めることから、酒蔵通りのまち歩き、食・日本酒、道の駅、自然体験を組み合わせたターゲットニーズを基にした複数のモデルコース提示が有効である。

宿泊者数と旅行形態(統計調査・対面アンケート)

 宿泊統計では、2025年の宿泊者数は合計574,385人、うち外国人宿泊者は29,947人となった。宿泊施設は38施設、客室数は1,609室、定員は2,385人であり、宿泊需要の受け皿は市内に一定程度存在している。

対面アンケートでは、全体の旅行形態は日帰りが81.6%、東広島市内宿泊が6.5%であり、来訪者の多くは短時間・日帰りでの利用となっている。一方、県外観光客に限ると宿泊者は81.2%に達するが、東広島市内に宿泊している割合は28.1%にとどまる。

県外観光客は宿泊を伴う旅行者が多いにもかかわらず、市外宿泊が多いことから、東広島市内で泊まる理由づくりが課題である。酒蔵通りの夜の楽しみ、食・日本酒、朝の散策、周辺観光へのアクセスを組み合わせた滞在提案が必要である。

来訪者満足度(対面アンケート)

対面アンケートでは、総合満足度の「満足(計)」は85.0%となり、前年から上昇した。

高評価項目を見ると、西条酒蔵通りでは従業員の接客態度や清潔感、牧場施設では地元の人の印象、道の駅では清潔感や費用面が評価されている。

一方で、推奨度(NPS)は△23.5と低下しており、満足はしているが積極的に勧める段階には至っていない層が多い。満足体験を口コミや再訪につなげる仕組みづくりが課題である。

リピーター率(対面アンケート)

対面アンケートでは、東広島市への訪問経験について、広島県内在住者はリピーター(2回目以上)が90.2%と高く、日常圏・近距離圏からの再訪が中心となっている。

一方、広島県外在住者は初回訪問者が58.3%を占めており、来訪時の観光をイメージできるモデルコース等の情報発信を行うとともに、初回訪問時の満足度向上と、次回訪問につながる日本酒・食・まち歩き等の体験の提案が重要である。

来訪意向(WEBアンケート)

WEBアンケートでは、東広島市への来訪意向は全体で25.3%となり、まだ伸びしろが大きい。

再訪意向では、遊び・観光・レジャー・体験・スポーツ目的で再び訪れたい人が56.9%となった。県外在住者でも再訪意向は5割を超えており、来訪後の評価を次回訪問につなげる余地がある。

来訪意向を高めるには、単に観光地名を訴求するだけでなく、「何ができるか」「誰と楽しめるか」「どれくらい滞在できるか」を具体的に示す情報発信が重要である。

来訪理由(WEBアンケート)

WEBアンケートでは、東広島市への主な訪問目的は「観光」が36.2%で最も高く、次いで「親戚・知人宅訪問」15.0%、「遊び」12.5%となった。ついで目的では「観光」29.1%、「遊び」26.1%が上位である。

居住地別に見ると、県外在住者は「観光」が主目的として高く、県内在住者は「遊び」や「レジャー」の割合が高い。県外向けには酒蔵・日本酒・食・歴史文化、県内向けには家族利用・食・自然・道の駅などの訴求が有効である。

また、対面アンケートでは訪問のきっかけとして「子どもの遊び」17.1%、「お酒」15.8%が上位であり、ファミリー層と日本酒関心層の双方が主要な来訪動機となっている。

食・日本酒・特産品への関心

WEBアンケートでは、ご当地グルメや特産品の認知率は「安芸津の牡蠣」19.9%、「東広島の日本酒」15.7%が上位となった。関心率でも「安芸津の牡蠣」12.2%、「東広島の日本酒」9.4%が上位である。

認知者の関心率では、安芸津の牡蠣、安芸津のびわレモン、東広島の日本酒が6割以上となり、知っている人には一定の関心が生まれている。特に東広島の日本酒は、関心者の経験率が高く、体験・購入につながりやすい資源である。

宿泊を伴う県外観光客に対しては、食と日本酒を組み合わせた滞在価値の訴求が消費拡大に直結する可能性がある。

観光実態調査手法と回答者属性

WEBアンケート

WEBアンケートは、日本国内に在住する20歳以上の男女を対象に実施した。全体の回収数は8,456票であり、本調査対象者は1,485票、内訳は東広島在住者111票、1年以内来訪者755票、1年以上前来訪者619票である。

本調査では、東広島市の認知度や訪問経験、観光資源への関心、来訪意向等を広域的に把握するとともに、今後の重点ターゲットである「宿泊を伴う遠方からの観光客」や「食・日本酒への興味関心が高い層」の傾向を分析することを目的としている。そのため、居住地については、県外からの宿泊旅行需要が見込まれる関東・関西・九州を含む広域圏からのサンプルを確保する設計としている。

回答者属性は、全体では男性44.6%、女性55.4%、年代は60代以上が28.7%、50代が24.5%、40代が21.2%である。本調査対象者のみでは、男性51.6%、女性48.4%で、30代から60代以上まで比較的分散している。

本調査結果は、県外市場における東広島市の認知・来訪経験・来訪意向を把握する基礎データであるとともに、食や日本酒を切り口とした観光消費拡大に向け、遠方からの宿泊旅行者に対する訴求内容や情報発信、周遊・滞在促進施策を検討するための分析材料としている。

対面アンケート

対面アンケートは、東広島市を訪問した男女を対象に、西条酒蔵通り、道の駅 湖畔の里福富、トムミルクファーム、道の駅 西条のん太の酒蔵で実施した。回収数は合計446票である。

回答者属性は、男性50.0%、女性50.0%で、年代は20代以下18.2%、30代21.5%、40代21.7%、50代17.5%、60代以上21.1%と、各年代に分散している。居住地は広島県内が78.5%を占める。

実際の観光地点での行動・満足度・消費額を把握する調査として、観光地ごとの受入環境や体験価値の改善に活用できる。

外国人アンケート

外国人アンケートは、広島県観光地を訪問した外国人男女を対象に、広島平和記念資料館、宮島、広島空港で実施した。回収数は合計120票である。

回答者属性は、男性65.0%、女性35.0%で、年代は30代が39.2%と最も高い。地域別ではアジア・オセアニアが53.3%、欧米が42.5%である。

広島県内を訪れる外国人観光客に対し、東広島市や西条酒蔵通りがどの程度認知されているかを把握する補足データとして活用できる。

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