〜目次〜
はじめに
東広島市における外国人市民の人口は1万人を超え、過去最高を更新し続けています。当団体では、この地域の特色を活かし、外国人市民の家族や友人が日本を訪れる「VFR(Visiting Friends and Relatives)」を軸としたインバウンド促進に注力しています。
今年で3回目を迎えた本コンテストは、外国人市民が自ら「おもてなしプラン」を考案・発表する機会として継続実施しています。
↓↓過去の実施報告はこちらから↓↓
実施目的
本企画は、外国人市民を「観光の受け手」だけでなく、地域の魅力を発信する「プロモーションの主体」と捉え、以下の目的で実施しています。
- 外国人市民の参画促進と県内消費促進:外国人市民自身の視点で地域資源を再発見し、家族や友人を招き入れたくなる機運を醸成する。
- 継続開催を見越したプロモーション:多言語での口コミ蓄積やSNS発信を通じ、中長期的なインバウンド・VFR需要を掘り起こす。
企画概要とワンポイント
| 実施日 | 2025年12月14日(日) 10:00~12:00 |
| 場所 | 【国の重要文化財】旧木原家住宅(ユニークベニュー活用) |
| 発表者 | 3ヵ国(インドネシア、ベトナム、台湾)3名 |
| 選考方法 | ①書類審査、②プレゼンテーション審査 |
| 主催 | Myおもてなしコンテスト実行委員会 |
| 共催 | 東広島市教育委員会 |
| 後援 | 広島大学 Town & Gown Office |
| 企画URL | https://discover.east-hiroshima.info/news/20250930-omotenashi/ |
地域でのコンテスト実施とユニークベニュー活用
過去2回は広島大学にて実施してきましたが、今回はより深く地域の観光資源に触れてもらうため、歴史的な町並みが残る高屋町白市地区にて開催しました。
会場には国の重要文化財である「旧木原家住宅」をユニークベニューとして活用し、発表者だけでなく、観覧を希望する外国人市民にも地域の魅力を体感してもらうため、VFR促進バスツアーと組み合わせて実施しました。
審査の集計待ち時間には施設の解説も行い、文化財の保存と活用に対する参加者の理解を深める取り組みも行いました。
↓↓過去のVFR促進バスツアーの様子はこちらか↓↓
バスツアー概要
| 参加者 | 5か国13人(発表者3名、観覧者・スタッフ10名)
インドネシア、ベトナム、台湾、中国、ブラジル |
| スケジュール | 09:30:広島大学をバスで出発
10:00:重要文化財にて「Myおもてなしコンテスト」実施 12:00:地域の飲食店「惣十郎」にてランチ 13:30:歌舞伎着物体験 15:30:広島大学へ向け出発 |


フードダイバーシティに係る取組の案内と利用促進
外国人市民へのアンケート調査の結果、VFR促進にはハラールやビーガンといった「食の多様性(フードダイバーシティ)」への対応が不可欠であることが分かりました。
本コンテストには毎年イスラム圏からの参加者がいることを踏まえ、地域の飲食店と連携して新たにハラールメニューを開発し、コンテスト終了後に提供することで、地域全体での受け入れ体制の強化を図りました。
↓↓外国人市民アンケート調査はこちらから↓↓
口コミ蓄積と機運醸成
ツアー後、参加者にGoogleマップ上での多言語レビュー投稿をリクエストし、重要文化財や飲食店に対し約20件の率直な意見・感想が蓄積されました。
また、DMOの留学生スタッフが当日の体験を記事化し、2025年10月に公開した英語サイトへ掲載するように進めています。
さらに、プレスリリースを通じて第1回に引き続きNHKに取材していただき、東広島ならではのインバウンド・VFR機運の醸成に努めました。
https://news.web.nhk/newsweb/na/nb-4000032375
協力・連携体制の構築
第1回から広報でご協力いただいている東広島市教育文化振興事業団さまには、本年は審査員としても参画いただきました。
また、留学生への企画案内をいただいた広島大学国際部留学交流グループさま、食の多様性対応で協力いただいている株式会社FRASCOさま、会場調整と施設解説を担っていただいた東広島市教育委員会さまなど、官民学の協力体制のもとで実施することができました。
関係各位に心より感謝申し上げます。
おわりに
実施会場の検討
会場が重要文化財(屋外に近い環境)であることを考慮し、気温や快適性を優先して今年はプレゼンターを例年に比べ少数に絞り短時間での運営としました。
来年以降も、外国人市民と地域住民の交流を生む「体験型コンテスト」として、会場も含め実施内容のさらなるブラッシュアップを行っていきます。
団体リソース管理と今後の展望
初の地域開催(文化財活用)、バスツアーによる観覧募集という試みでしたが、継続実施によるノウハウ蓄積と効率化により、業務量は昨年と同程度となりました。
一方で、DMOガイドライン改正に伴う新しいKPIへの業務や、それに伴う業務管理の難航から、企画に関する広報活動に十分な時間を割けなかったという側面もあり、課題として残りました。
今後は、DMOアクションプランの達成に向け、業務内容の棚卸と優先順位付けを組織内で行うとともに、新たなスタッフ増員検討も含め、「来る人・住む人がつながりにぎわう東広島」というビジョンのもと、持続可能な観光地経営を目指していきます。
