〜目次〜
はじめに
滞在時間の伸長と観光消費額単価の向上を促進するため、現状の周遊観光の実態を調査する目的で広島市等の人口密集地からの集客が見込め、且つ三原市に近い立地にあるぶどう農園で行われるぶどう狩り体験の参加者に対してアンケート調査を行いました。
またディスカバー東広島としてWEB広告ノウハウを蓄積し、地域事業者さんに展開していくことで、事業者さん自らで有効な広告を自走し、データドリブンの観光地域づくりへの意識を醸成してくことを目的にWEB広告を実施しました。
WEB広告実施内容
概要
・媒体:Instagram
・期間:2021年9月10日(金)~9月27日(月) 17日間
・エリア:広島市、東広島市、三原市、呉市
・セグメント設定:アドベンチャー、旅行、ぶどう、観光、写真撮影、山、等
・対象属性:18歳〜54歳/男⼥
総リーチ数 | 総クリック数 | 獲得件数 | フリークエンシー | 予約数
|
フォロワー増加数 |
24万4千 | 4千8百 | 4千2百 | 2.63 | 55(組) | 105 |
※獲得件数:ランディングページに飛んだ回数
※フリークエンシー:同じユーザーへの表示回数
クリック率を高めるために
今回は広告内容を視覚的に訴求でき、且つターゲットユーザーが多く利用しているInstagramを媒体に選定しました。
広告記事はInstagram利用者のタイムラインの上に他の投稿と混ざって表示されるため、文字や情報を多く入れた広告感を強く出すよりも、ターゲットが自己投影し易く、体験内容が一目でわかる写真や動画データを活用することでクリック数の獲得を狙いました。
クリエイティブの試行
広告に利用するデータは画像1枚からカルーセル(複数枚掲載)、動画パターンにて広告を実施し、次回以降の広告発信時により効果的なものを選定できるように検証を行いました。
広告の評価と分析
・広告に利用した写真(子供がぶどう狩りをしている姿)が広告感を出さなかったため、Instagramのタイムラインに調和し、31.6円と低いクリック単価であるが86.6%と高い獲得率となった(仮説)。
・画像1枚よりもカルーセル(複数枚掲載)や動画の方がターゲットに伝わる情報量が多くなるため、獲得件数が上昇する(仮説)。
・35~44歳女性の獲得件数(1,697件)と獲得率(88.5%)が最も高く、果物狩りのメインターゲット層となる。
・自然体験型アクティビティに関する広島市、東広島市、呉市、三原市へのターゲット広告は約15万円でリーチ数の天井に達する。
・ディスカバー東広島WEBサイトへの新規会員登録者数(全101名)のエリアは以下の通りとなり、広島市での自然体験型アクティビティに関する需要は高いことが伺える。
マリンアクティビティコンテンツ造成時に行ったWEB広告結果は以下の通り
・媒体:Instagram
・期間:6月25~30日、7月6~21日 (計22日間)
・総リーチ数:22万
・総クリック数:3500
・獲得件数:2700
・フリークエンシー:1.44
体験者アンケート集計と分析
周遊観光の実態を調査するため、ぶどう狩り参加者に対してアンケート調査を実施し、以下の通り集計(回答数21件)しました。
・参加者出発地は広島市16件(76.1%)と東広島市5件(23.8%)となる。
・ぶどう狩りの前後に周遊しない(無選択回答含む)と回答したのは8件(38%)となり、参加者の出発地が広島市と東広島で各4件となる。
→東広島市からの参加者は80%が西条町からとなり、近隣からの参加となるため特別な施策がない限り周遊観光にまでには至らない。
・広島市発の参加者は16件の内、12件(75%)が周遊観光を行っており、福富道の駅を訪れている参加者は全体の56%を占めている。ぶどう狩りから車で約1分の飲食店を利用している参加者は全体の13%となる。
→広島市からの参加者は出発前から認知している観光スポットを訪問、又はぶどう農園周辺で当日検索して訪問している(仮説)
・東広島と三原を横断する周遊観光は1件(5%)のみとなる。
・参加形態は家族17件(80.9%)、友だち3件(14.2%)となる。
・友だちグループの平均人数(7.6人)は家族平均人数(3.8人)に比べ多い。
おわりに
福富道の駅は東広島市民だけでなく、周辺市町の方々にも一定数認知されていることが伺えるため、道の駅を基点にした周遊施策を指定管理者さんと連携して実施していきます。
またイベント予約者に対して、予約確認メールを送信する際に、周辺観光情報を提供する事で周遊率を高める(ABテストによる比較検証も検討)試みも主催事業者さんと連携して実施していきます。
そして周辺市町の観光関連団体と連携し、市を跨ぐ周遊促進キャンペーン等を実施することで各地域での観光に対する機運を醸成していきます。