事業報告

VFR市場動向調査 2023

はじめに

市内VFRの動向把握やDMOが実施するVFR促進企画のブラッシュアップ、費用対効果の検証をデータに基づいて行うため昨年から引き続き「VFR市場動向に関するアンケート調査(2023)」を外国人市民の方々を対象に実施しました。

↓↓昨年の調査結果はこちら↓↓

VFR市場動向調査 2022

アンケート集計結果と分析

回答者数 36名
回答者国籍 19ヵ国(インドネシア、ベトナム、香港、フィリピン、ブラジル、エストニア、カンボジア、中国、ドイツ、シリア、台湾、ウガンダ、インド、バングラデシュ、ナミビア、パキスタン、イラン、アメリカ、メキシコ)
設問言語 英語

【設問1】2023年、あなたに会いにご家族や親戚、友人が日本に来られましたか?

・52.8%が家族等の来訪があったと回答し、昨年から46.4ポイントUPとなった。
・外国人市民の日本在住期間別でみると、「3年以上4年未満」の75.0%がご家族等の来訪有と回答し、続いて「2年以上3年未満」が63.6%、「1年以上2年未満」が56.3%となる。一方で日本に来て間もない(1年未満)又は長期滞在(5年以上)の場合はVFR率が低くなることが伺える。

【設問2】来訪された方の延人数と平均滞在期間はどれくらいですか?(【設問1】で「Yes」と回答した方のみ)

・1名が最も多く31.6%となり、1~4名で約9割を占めることから少人数での訪問傾向が高いことが伺える。
・7日間以内の滞在が52.6%と過半数を占める一方で、3週間以上という長期滞在も21.1%となる。

【設問3】ご家族や親戚、友人はどこに泊まりましたか?(複数選択可) (【設問1】で「Yes」と回答した方のみ)

・外国人市民住居とシティホテルが57.9%と同位となり、ビジネスホテルの利用傾向は低い(10.5%)ことが伺える。

【設問4】ご家族等が日本に来た際に東京や大阪、原爆ドームや宮島などの観光地以外にも広島大学キャンパスや東広島市内のお出かけスポットを訪れましたか?(【設問1】で「Yes」と回答した方のみ)

【設問5】具体的に訪れたスポットは?(【設問4】で「Yes」と回答した方のみ)

・訪日したご家族等の84.2%(16件)が東広島市内を観光している一方で、訪問先は西条酒蔵通り(9件)と広島大学(8件)に集中し(移動は徒歩又はバス)、その他は桜鑑賞のための公園等となった。

【設問6】それらのスポットへの移動方法は?(複数選択可) (【設問4】で「Yes」と回答した方のみ)

【設問7】ご家族等が来訪されるにあたりどのような障壁がありますか。(複数選択可) (【設問1】で「No」と回答した方のみ)

・「旅費」が88.2%とトップとなり、続いて「ご家族等が休暇を取れない」が29.4%、「ビザ」が23.5%と続く。

【設問8】ご家族等と東広島を観光する(した)際の懸念事項は?(複数選択可)

・「言語」が69.4%と最も高く、続いて「移動手段」が52.8%、「予約」が25%、「食事(宗教的な制限や習慣等)」が22.2%と続く。
・東広島市内を観光した方々(16件)のうち、2名は自家用車を所有しているが観光では利用していない。

【設問9】東広島のあなたのおススメの飲食店は?(複数回答可)

・牛丼や回転寿司などの全国チェーンが15件と最も多く、続いて広島大学やJR西条駅周辺の地域のお好み焼き店が9件となった。
・設問8で「食事(宗教的な制限や習慣等)」を選択した人の多くが寿司(全国チェーン)やインドカレー店のみの回答となった。

【設問10】日本滞在期間

【設問11】日本での自家用車所有有無

【設問12】日本語レベル

おわりに

プロモーション促進

2024年の外国人市民の人口は過去最高の値となり、留学生の積極的な受入などの要因により今後も増加することが予想されます。今回の調査からVFR訪問率は高い一方で、観光消費が望めるのは現状で西条酒蔵通りに限定されていることが伺えました。

引き続き外国人市民の方々を対象にしたバスツアーの実施により、観光スポットの認知形成、SNSやGoogleマップへの多言語による口コミ投稿によるプロモーション促進を受入観光スポットの事業者の方々とも連携して取り組んでいきます。

さらに来年度に構築予定の外国語サイトの観光スポット記事を外国人市民の方々の参画により作成していきます。

フードダイバーシティへの取組

インドネシアなどイスラム圏の外国人市民の方々も多く、また外国人観光客のベジタリアンやビーガンメニューニーズの高まりもありますが、東広島市内でフードダイバーシティに対応した飲食店はほとんどない状況となります。

お薦め件数が多かった地域のお好み焼店などを対象にしたフードダイバーシティに関するセミナーを企画実施し、訪問障壁の改善に取り組んでいきます。

東広島モデルの形成に向けて

円安やリベンジ消費などの要因によって、2024年は全国的に外国人観光客数が過去最高の値となり、本市におけるVFR訪問率も昨年に比べ大きく上昇する結果となりました。

ポジティブな外部要因による上昇を楽観視することなく、DMOが実施する施策とVFR来訪率の相関関係を正しく把握・検証するため、継続して定点調査を行っていきます。

全国的な労働人口の減少への対策として、特定技能に対する在留資格の枠数は2024年度から5年間の受け入れ見込み人数で約82万人(前設定の約2.4倍)となり、対象分野も拡大されたことにより、日本在住の外国人人口も今後、増加することが予想されます。

大学や企業の集積により歴史的に外国人市民の人口が多い東広島において、外国人市民の方々の参画による観光地域づくりのノウハウを今後も蓄積し、公開していくことで他地域の一助になるように努めていきます。

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