事業報告

訪日意向層に届く!DMOによるターゲティング型プロモーション事例

(2025年8月4日公開、2025年12月9日追記)


オーストラリア酒フェスティバルのメルボルン会場(2025年6月開催)及びシドニー会場(2025年9月開催)において、地域の観光商品(インバウンド向け試飲ツアーほか)をPRする取り組みを実施しました。
今回は自ら出展するのではなく、イベント運営側と連携し、観光プロモーションを委託する形で展開。
日本酒を通じて日本文化への関心が高い来場者に向け、訪日意向層への効果的なアプローチを図りました。

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緒方

今回の記事では、関心層に向けたプロモーションの実例として、オーストラリアメルボルンでの観光商品PR事例をお届けします。

取組内容

ターゲットは「日本酒好き」「日本文化への関心が高い」「訪日意向がある」層。
イベント会場では、観光ブースでのゲーム企画や、QRコード付きコースターの配布、観光商品の魅力を伝えるブローシャーの配布などを、主催者側に実施してもらいました。
さらに、酒フェスティバル公式ページから地域観光商品紹介ページへのリンク設置や、SNSを活用したオンラインプロモーションも並行して展開。
現地での体験とオンラインでの情報接触を組み合わせることで、より広範な訴求を実現しました。

現地イベントでの成果と反響

メルボルン会場実施概要

2日間で約6,500人が来場し、観光ブースのゲームには2,445人が参加。多くの来場者が当エリアの観光情報に触れる機会を得ました。
QRコード付きコースターの配布(約2,000枚)により、ツアー紹介ページへのアクセスも増加。
さらに、観光ブースのゲームコーナーでペア無料券を受け取ったオーストラリア在住のカップルが、実際に訪日を決定するなど、具体的な成果も生まれています。

シドニー会場実施概要

2日間で約8,000人が来場し、観光ブースのゲームには約3,000人が参加。
ツアー紹介のためのブローシャ―1,000枚はすべて配布され、興味を持つ方には口頭で説明されました。

 

オンラインプロモーションについて

WEBページ(ツアー紹介)の国別閲覧割合

  • オーストラリア(イベント開催国)からの閲覧が全体の 50%以上 を占め、同市場での高い関心が確認されました。
  • 一方で、日本滞在中の訪日観光客による閲覧が30%以上 となっており、タビナカ(旅行中)での訴求効果も明確に見られます。


WEBページの閲覧時期(閲覧割合)


各体験やツアーを紹介する全体ページはイベント開催時期である 7月に閲覧数が集中しました。一方、当社が提供する観光コンテンツページは 9月にピークを迎えており、訪日需要期(旅行意向が高まる時期=渡航予定の約180日前)に合わせて閲覧が増加していることが確認されます。
この傾向は、訪日前の計画段階における詳細情報ニーズの高さを示しており、今後の施策では需要期に合わせたコンテンツ配信が重要であると考えられます。

 

地域の魅力を、確実に届けるために

DMOが担うべきは、地域の魅力をただ発信するのではなく、関心層に的確に情報を届けることです。
広域DMOがインバウンドプロモーションの司令塔として広域的な戦略を描く一方で、地域DMOはその戦略のもと、地域ならではの魅力や体験価値を、関心層に深く届ける役割を担います。

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マスプロモーションでは届きにくい層へのアプローチは、限られたリソースでも高い効果を生み出す、持続可能なプロモーションの形であり、地域DMOが現場に根ざした視点で実行することで、訪日意向層との確かな接点を築くことが可能になります。

 

今後の展望

今後も関心層との接点を継続的に創出することを軸に、プロモーションを展開していきます。
現地イベントとオンライン施策を組み合わせることで、訪日意向層への情報提供と動機づけを一層強化するとともに、現地での反応やオンライン施策の成果を分析しながら、PDCAサイクルを回すことで、より効果的なプロモーション設計と地域誘客の実現を目指します。

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