〜目次〜
はじめに
道の駅 福富において実施された牡蠣イベント来訪者を対象に、来訪動機や消費行動、周遊状況等を把握するためのアンケート調査を実施しました。
本記事では、その集計結果および分析結果を掲載します。
調査概要
| 調査方法 | 現地アンケート(Googleフォーム) |
| 調査対象 | 道の駅 福富来訪者 |
| 有効回答数 | 70件 |
| 実施主体 | ディスカバー東広島 |
調査サマリー
牡蠣主目的率は44.3%、純増率は58.6%となり、本イベントによる新規来訪効果が確認された。また、波及購買率は88.6%と高く、館内消費の拡大にもつながっていた。これらの結果から、地域における食イベントは、新規来訪と消費拡大の両面に寄与する可能性が示唆される。
【用語定義】
・牡蠣主目的率:来訪目的として「牡蠣イベント」を選択した割合
・純増率:イベントがなければ来なかったと回答した割合
・波及購買率:牡蠣以外の商品を購入した割合
アンケート集計・分析
回答者属性
世代

居住地

同伴者

来訪動機分析(牡蠣イベント目的率)
本日、道の駅 福富にお越しになった主な目的は?(複数選択可)

- 牡蠣イベントを主目的とした来訪者は44.3%。
- 観光や飲食など他目的との複合来訪も多く、イベントが来訪理由の一部として機能している。
- 単独目的だけでなく「来訪のきっかけ」としての役割も大きいイベントであることが伺える。
認知経路
牡蠣フェスタを何で知りましたか?

- 最も多い認知経路は道の駅SNS(35.7%)で、集客の中心となる。
- 一方、純増層ではテレビの寄与が最も大きく、新規来訪の創出に強く影響。
- SNS=母数拡大、テレビ=来訪動機の強化という役割分担が伺える。
波及購買
牡蠣フェスタ以外の購入(複数回答可)

- 牡蠣以外の購入率は88.6%と非常に高い結果となる。
- 購入者は非購入者に比べて約1,100円支出が高い。
- イベントが館内消費を大きく押し上げていることが伺える。
支出傾向
本日の道の駅 福富での1人当たり総支出額(概算)

- 支出の中央値は1,000~2,999円帯。
- 高単価層(5,000円以上)は1.4%と限定的となり、中価格帯を中心とした消費構造となる。
周遊傾向
今日、道の駅 福富の「前後」で立ち寄った(立ち寄る予定の)場所はありますか? (複数選択可)

- 立ち寄りありは54.3%、なしは45.7%と、周遊行動は半数程度にとどまる。
- 主な立ち寄り先は「トムミルクファーム」「カドーレ」「のん太の酒蔵」に集中。
- 福富周辺施設を軸とした周遊は一定ある一方、イベント単体で完結する来訪も多い構造となる。
クロス分析
イベント純増効果
今回のイベントがなければ今日は道の駅 福富に来ましたか?
- 「イベントがなければ来なかった」と回答した割合(純増率)は58.6%。
- 牡蠣主目的層と掛け合わせると、全体の約24.3%が純増来訪者と推定される。
- 既存来訪の置き換えではなく、新たな来訪を創出しているイベントといえる。
純増来訪者の発生エリア
- 純増人数は広島市・東広島市が中心となる。
- 純増率は、広島市が70.0%と最も高くなる。
- 広島市方面から新たな来訪を引き込む効果が特に大きいイベントであることが伺える。
売上ドライバー分析

- 最も単価が高いのは広島市の50〜60代層。
- 東広島市は来訪者数は多いものの、単価は中位にとどまる。
- 「人数は地元、単価は広島市圏ミドル・シニア」という二層構造が伺える。
世代と認知経路


- 20~40代はSNS中心の認知構造で、特に30代はSNS比率が高い。
- 50~60代は媒体が混在しており、単一チャネル依存ではない。
- 売上ドライバーとなる広島市50~60代に限定した場合も若年層ほどSNS一極ではなく、口コミ・テレビの効果が伺える。
波及購買構造

- 「パン」「加工品」は購入率・単価ともに高く、物販の主力となる。
- 「ジェラート」は購入率は中程度ながら、単価を押し上げる効果が高い。
- 広く回収(パン・加工品)+単価アップ(ジェラート)の構造が伺える。
発地別 周遊傾向
- 広島市は周遊率が高く(約70%)、複数施設を回遊する傾向が見られ、東広島市は周遊率が相対的に低く、「イベント目的のみ」の来訪が多い傾向となる。
- 遠方ほど「ついで観光」が発生しやすく、地元ほど単目的来訪になりやすい構造。
おわりに
今回の調査から、牡蠣イベントは、来訪のきっかけづくりにとどまらず、新たな来訪を生み出す効果を持つイベントであることが分かりました。
特に、広島市からの純増来訪を一定数獲得しており、地元来訪者を含めた幅広い集客につながっている点が特徴です。また、来訪者の半数以上に周遊行動が見られたほか、牡蠣以外の商品購入率も高く、イベントが館内消費や周辺施設への波及にも寄与していることが確認されました。
今後は、今回のアンケート調査で把握した年代や居住地などの属性を踏まえ、効果が見込まれる層にセグメントを絞ったSNS広告を活用し、イベント等の認知拡大とフォロワー獲得による道の駅オウンドメディアの強化に加え、テレビなど来訪意欲を強く喚起する媒体も組み合わせながら、広島市を中心とした集客強化を図ることが重要と考えられます。
あわせて、東広島市内からの来訪者に対しては、周辺施設への立ち寄りを促す企画や、館内での追加購買を後押しする仕掛けを強化することで、さらなる周遊促進と消費拡大をDMOとして連携して推進していきます。