事業報告

令和8年度 東広島市観光推進会議の開催

はじめに

一般社団法人ディスカバー東広島では、2026年8月28日(金)に「令和8年度 東広島市観光推進会議」を開催しました。

本会議は、東広島市の観光推進に関わる観光協会、商工団体、交通・宿泊事業者、酒造関係者、行政等の関係者が集まり、ディスカバー東広島観光アクションプランの進捗共有と、今後の観光推進に向けた意見交換を行う場です。

今年度は、観光客数の増加だけを目的とするのではなく、来訪者を市内でどのように回遊させ、飲食・土産・体験・宿泊などの地域消費につなげるか、また交通混雑や駐車場不足などの住民負荷をどのように抑えるかについて意見交換を行いました。

また、観光アクションプランを具体的な取組へ移していくため、地域事業者・団体との実行体制や連携のあり方についても協議しました。

令和7年度の会議内容については、以下の記事をご確認ください。

令和7年度 東広島市観光推進会議の開催

実施目的

令和8年度の東広島市観光推進会議では、令和7年度会議後のDMOアクションへの反映状況を共有するとともに、今後の観光推進に向けた関係者間の連携を深めるため、以下を実施目的として設定しました。

  • ディスカバー東広島観光アクションプランの進捗共有
  • 令和7年度会議でいただいた意見のDMOアクションへの反映状況の共有
  • 回遊・消費・交通負荷を踏まえた観光推進に関する意見交換
  • 地域事業者・団体との実行体制、役割分担、連携可能性の整理
  • 今後のDMOアクションや関係者協議へ反映するための意見収集

開催概要

日時 2026年8月28日(金)13:00~14:30
場所 東広島市役所 北館201会議室
主催 一般社団法人ディスカバー東広島
議事内容
  1. ディスカバー東広島観光アクションプランの進捗報告について
  2. 回遊・消費・交通負荷を踏まえた観光推進について
  3. 地域事業者・団体との実行体制と連携について
出席団体 東広島市、東広島商工会議所、黒瀬商工会、広島県央商工会、東広島市観光協会、安芸津町観光協会、西条酒造協会、東広島ホテル旅館組合、広島県タクシー協会中部支部、西条駅前商店街振興組合、広島国際空港株式会社ほか

DMOアクションプランの進捗を共有

会議の冒頭では、ディスカバー東広島より、令和8年度における観光アクションプランの進捗状況を以下の資料をもとに報告しました。

報告では、観光消費額や観光客数等のKGI・KPIの進捗、西条酒蔵通りを核としたキーコンテンツ創出、デジタルスタンプラリーによる周遊促進、公式WEBサイト・多言語情報・SNS等を活用した情報発信、住民満足度調査による観光への受け止めや課題把握などについて共有しました。

また、当日は参考資料として、「昨年度の観光推進会議後のDMO活動進捗」を配布しました。
同資料では、令和7年度の観光推進会議でいただいた主な意見を踏まえ、ディスカバー東広島がどのようにDMOアクションへ反映し、実行してきたかを整理しています。

具体的には、酒蔵通りの価値活用、広島市・空港・周辺観光地からの広域誘客、外国人観光客の受入環境整備、市内周遊の促進、お土産・グルメ需要や地域への経済還元の見える化など、昨年度会議で示された論点を、各種事業や情報発信、調査分析、関係者連携へ反映してきました。

あわせて、委員の皆様に対しては、委員向けメール配信、WEB報告、月次モニタリング等を通じて、DMO活動の進捗を継続的に共有してきました。
令和8年度は、これまでの取組を踏まえ、回遊・消費・再訪の仕組み化、地域への裨益の可視化、交通負荷への対応をさらに進めていきます。

回遊・消費・交通負荷を一体的に捉えた観光推進

議題2では、「回遊・消費・交通負荷を踏まえた観光推進」をテーマに意見交換を行いました。

観光客を増やすことだけではなく、市内での滞在時間を延ばし、飲食・土産・体験・宿泊などの地域消費につなげること、同時に交通混雑や駐車場不足などの住民負荷を抑えることが重要であるとの認識を共有しました。

酒まつり・酒蔵通りを核とした回遊性、消費促進、交通負荷への対応

酒まつりは、東広島を代表する催事であり、市外・県外から多くの来訪者を呼び込む大きな強みです。

一方で、交通混雑や駐車場不足など、地域への負荷を抑えながら、来訪者を市内での消費につなげていく視点も重要です。

会議では、酒まつり来訪者が各会場をどのように回遊しているかをデータで把握し、飲食・宿泊・土産購入などの地域消費や、交通負荷の状況を確認していく必要性が示されました。

今後は、酒まつり来訪者の回遊状況や滞在傾向の把握を検討し、得られた結果を関係者間で共有しながら、次年度以降の消費促進や交通負荷への対応の検討に活用していきます。

空港・広島市宿泊者から東広島市内消費への接続

広島国際空港からは、インバウンド客を県内市町へ周遊させることが重要な課題であり、西条行きリムジンバスの利用促進やJRとの連携など、アクセス面での取組が進められていることが共有されました。

また、広島市内に宿泊する観光客を東広島へ誘導し、市内での飲食・買い物・体験につなげることも重要な視点として挙げられました。

今後は、広島空港、JR、広島県観光連盟、周辺市町等と連携しながら、空港利用者や広島市内宿泊者が立ち寄りやすいモデルコースや情報発信導線の整理を進めます。

駅前・酒蔵通り周辺の夜間消費と夕方時間帯の課題

西条酒蔵通りを訪れた観光客が、散策や酒蔵見学等で満足してそのまま帰ってしまうケースも多く、夜の飲食需要や駅前商店街での消費にどのようにつなげるかが課題として挙げられました。

特に、酒蔵の営業終了後から飲食店の夜営業が本格化するまでの時間帯に、来訪者が過ごせる場所や消費につながる導線をつくることが重要です。

今後は、駅前・酒蔵通り周辺で夕方に立ち寄れる店舗、体験、休憩場所などを整理し、観光客やビジネス宿泊者を夜の飲食・買い物へつなげる情報発信を強化していきます。

宿泊需要の確保と週末滞在の促進

東広島ホテル旅館組合からは、新規ホテルが増える一方で、観光宿泊需要の確保や週末の稼働率向上が課題であるとの意見がありました。

ビジネス利用が中心となる中で、観光客や広島市内宿泊者を東広島市内での滞在・消費につなげるためには、酒蔵通り、食体験、イベント、周辺市町との連携を組み合わせた滞在提案が重要です。

今後は、宿泊施設から公式WEBサイト、モデルコース、飲食店情報へ案内する導線を整備するとともに、宿泊施設、駅前商店街、飲食店等との連携可能性を整理していきます。

安芸津エリアの地域資源とにぎわいづくり

安芸津エリアについては、港町としての景観、食、酒、多島美などの地域資源を活かした周遊促進について意見交換を行いました。

一方で、祭りや地域イベントの担い手不足も課題となっています。会議では、学生ボランティアの参加により、地域イベントが徐々ににぎわいを取り戻していることや、地域資源を再生しながら継続的なにぎわいづくりを進めていることが共有されました。

今後は、安芸津の食・酒・多島美・港町文化を活かした周遊テーマを整理し、呉・竹原等との呉線沿線連携や、季節の食と日本酒を組み合わせたリピーター造成の可能性を検討していきます。

具体的な取組につなげるための実行体制を議論

議題3では、「地域事業者・団体との実行体制と連携」をテーマに意見交換を行いました。

観光アクションプランを具体的な取組に移していくためには、DMO単独ではなく、観光協会、商工団体、宿泊・交通事業者、酒蔵、地域団体、行政等が、それぞれの役割を持ちながら連携していく必要があります。

会議では、事業者支援、担い手不足、補助金活用、日本酒文化の価値発信など、今後の実行に向けた多様な意見が出されました。

商工団体と連携した事業者支援の継続化

商工団体からは、飲食店や地域事業者への支援を単発で終わらせず、事業者の経営課題の解決や次の取組につなげる必要性が示されました。

観光分野への参画を促すためには、事業者にとっての具体的なメリットを明確にし、売上、認知、集客につながる仕組みを整理することが重要です。

今後は、商工団体と連携し、地域事業者が参加しやすいテーマを整理するとともに、東広島の食の魅力を活かしたご当地メニュー等とそのペアリングの認知形成・消費促進についても、公式WEBサイトやSNS、デジタルスタンプラリー、モデルコース等との連動可能性を検討していきます。

黒瀬・福富・豊栄・河内エリアの周遊促進と消費接続

黒瀬エリアでは、スタンプラリーやドライブマップを活用した認知向上、黒瀬ふれあい祭りやナイトマルシェなど、地域消費につなげる取組が進められています。

福富・豊栄・河内エリアを含む中山間地域では、道の駅や果物狩り体験などの周遊スポットを組み合わせ、来訪者を地域事業者の収益につなげることが課題として挙げられました。

今後は、デジタルスタンプラリーの各クールにおいて、黒瀬・福富・豊栄・河内エリアの参加スポット割合を高め、来訪者の周遊促進と地域消費への接続を図ります。また、道の駅来訪者の消費・周遊行動やファミリー層の実態把握も検討していきます。

観光協会・酒蔵・宿泊施設等に共通する持続可能な運営課題

会議では、観光協会、酒蔵、宿泊施設等に共通する課題として、人手不足や担い手不足、継続的な運営体制の確保が挙げられました。

地域イベントや観光コンテンツを継続していくためには、外部人材や関係人口の活用、収益性の確保、役割分担の整理が必要です。

また、観光協会、DMO、市役所がそれぞれの強みを活かしながら活動を継続していくため、事業のみならず事務局機能の効率化や重複業務の整理も今後の検討課題となります。

酒蔵・日本酒文化の価値を伝える体験づくり

西条酒蔵通りは、東広島を代表する観光資源の一つです。一方で、酒蔵は本来、製造の場であり、観光受入にあたっては人員面や運営面の負担も考慮する必要があります。

国内外の来訪者や若い世代など、より幅広い層に日本酒の価値や酒蔵文化の魅力を伝えていくためには、見学や試飲にとどまらない体験づくりや、分かりやすい発信が重要です。

今後は、酒蔵側の負担を踏まえながら、見学導線、試飲・購入導線、酒文化を伝えるストーリーや体験の見せ方を整理し、初回来訪だけでなくリピーター造成につなげる仕組みを検討していきます。

目的に沿った補助金活用と関係団体との連携

補助金の活用については、補助金を獲得すること自体を目的にするのではなく、地域として何を実現したいのかを明確にすることが重要であるとの意見がありました。

ディスカバー東広島では、観光庁DMOネット等を通じて得られる補助金情報について、関係団体へ共有するとともに、DMOや行政として申請を目指す事業がある場合には、公平性、参画しやすさ、仮説検証の観点を踏まえながら、関係団体との連携を進めていきます。

また、具体的に「何を・いつ・誰が・どこまで行うのか」を整理したディスカバー東広島観光アクションプラン別冊の個別事業一覧を基に、必要に応じて関係団体とのワークショップや個別協議を実施し、観光コンテンツの創出や磨き上げにつながる実行体制づくりを検討していきます。

DMOアクションプランへ反映

今回の会議でいただいた意見は、事務局で整理し、今後のDMOアクションや関係者協議に反映していきます。

会議で共有された内容を踏まえ、既存事業への反映、関係者協議の実施、調査・データ把握など、実施可能なものから順次検討を進めていきます。

既存事業に反映する取組

公式WEBサイトやSNSでは、アクションプランのターゲット層に対する周遊、飲食、体験、宿泊情報の発信をさらに強化します。

また、デジタルスタンプラリーでは、黒瀬・福富・豊栄・河内エリアなど中山間地域の参加スポット割合を高め、来訪者の周遊促進と地域消費への接続を図ります。

多言語モデルコースや広域周遊情報についても、広島空港、JR、広島県観光連盟、周辺市町等と連携しながら、旅行者に分かりやすく届ける導線を検討していきます。

関係者協議を進めるテーマ

今後、必要に応じて関係団体との個別協議を行い、具体的な取組につなげていきます。

主な協議テーマとして、酒まつり・酒蔵通りの回遊調査と消費促進、駅前・宿泊・夜間消費導線、補助金活用と実行体制づくり、空港・広域誘客導線、中山間地域・道の駅周遊促進などが挙げられます。

調査・データ把握を進める事項

観光施策を効果的に進めるためには、現場感に加えて、データによる把握と検証も重要です。

今後は、酒まつり来訪者の回遊状況、滞在エリア、消費行動の把握、道の駅来訪者の消費・周遊行動、デジタルスタンプラリーの参加・周遊実績、宿泊者の市内消費導線などについて、調査・分析の可能性を検討していきます。

おわりに

今回の東広島市観光推進会議では、観光客数を増やすことだけではなく、市内回遊、地域消費、住民負荷の抑制を一体的に考える必要性を改めて確認しました。

また、観光アクションプランを実際の取組につなげるためには、DMO単独ではなく、観光協会、商工団体、宿泊・交通事業者、酒蔵、地域団体、行政等の多様な関係者との連携が不可欠です。

ディスカバー東広島では、今回いただいたご意見を今後のDMOアクションや関係者協議に反映し、東広島市の持続可能な観光地域づくりに向けた取組を進めてまいります。

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