〜目次〜
はじめに
ディスカバー東広島(地域DMO)では、市内在住の外国人市民を起点とした観光形態「VFR(Visiting Friends and Relatives:親族・知人訪問)」の動向把握やDMOが実施するVFR促進企画のブラッシュアップ、費用対効果の検証をデータに基づいて行うことを目的に、2022年より年次定点調査を実施しています。
調査概要
| 調査方法 | インターネット調査(Googleフォーム) |
| 対象者 | 東広島在住外国人市民 |
| 回答者数 | 38人 |
| 回答者国籍 | 16ヵ国(中国、ベトナム、インド、ウズベキスタン、フィリピン、インドネシア、イラン、マダガスカル、シリア、コロンビア、キルギス、メキシコ、マレーシア、パキスタン、タジキスタン、バングラデシュ) |
| 設問言語 | 英語 |
| 調査実施主体 | 一般社団法人ディスカバー東広島 |
アンケート集計結果と分析
回答者属性
職業

日本滞在期間

日本語レベル

日本での自家用車所有

VFR訪問割合
【設問1】2024年、あなたに会いにご家族や親戚、友人が日本に来られましたか?

| 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
| 回答者数 | 47名 | 36名 | 38名 |
| 家族等の来訪率 | 6.4% | 52.8% | 47.4% |
- 前年の52.8%からは微減したものの来訪率は47.4%に達し、依然として外国人市民の約2人に1人が家族や友人を日本に迎えていることが伺える。
- 日本在住期間とのクロス集計から1年以上3年未満の層で、家族を呼び寄せる傾向が顕著に見られる(来訪があった回答者のうち、1年以上3年未満の滞在割合は38.9%)。
延人数と平均滞在期間
【設問2】来訪された方の延人数と平均滞在期間はどれくらいですか?(【設問1】で「Yes」と回答した方のみ)

- 来訪者の約8割が1〜2名の少人数であり、個人旅行に近い形態が主流となる。
- 滞在期間は、7日以内の短期滞在と15日以上の長期滞在に二極化している。
宿泊先
【設問3】ご家族や親戚、友人はどこに泊まりましたか?(複数選択可) (【設問1】で「Yes」と回答した方のみ)

- 外国人市民宅が70%以上となる一方で、シティホテルや旅館などの有料宿泊施設など有料宿泊施設の利用(計11件)も外国人市民宅(13件)に迫る勢いとなる。
東広島市内観光割合
【設問4】ご家族等が日本に来た際に、広島大学キャンパスや東広島市内のお出かけスポットを訪れましたか?(【設問1】で「Yes」と回答した方のみ)

東広島市内訪問スポット
【設問5】具体的に訪れたスポットは?(【設問4】で「Yes」と回答した方のみ)
- 西条酒蔵通り(50%)と広島大学(37.5%)が依然として二大観光拠点としての地位を占めている。
- 瀬戸内エリアや日本庭園など、市内周辺部や自然景観を楽しむルートへの広がりが確認できる。
- 鏡山公園や憩いの森公園、美術館といった、VFRならではの市民の日常に近い公共スペースへの訪問も増加傾向にある。
- 前年は、酒蔵通りや広島大学以外の市内スポットを含む回答は21.1%であったのに対し、本調査では38.8%となった。
移動手段
【設問6】それらのスポットへの移動方法は?(複数選択可) (【設問4】で「Yes」と回答した方のみ)

- 自家用車所有率が低い(15.8%)ため、徒歩とバスを組み合わせた観光が主体となる。
VFR障壁
【設問7】ご家族等が来訪されるにあたりどのような障壁がありますか。(複数選択可) (【設問1】で「No」と回答した方のみ)

- 家族が来日していない層において、「travel expenses(旅費)」が最大の障壁(80%)として挙げられている。
- 単一の理由ではなく、旅費・休暇・ビザの複数を同時に選択する回答が目立ち、障壁が複雑に絡み合っているため、一つの課題解決だけではVFR(親族・知人訪問)の飛躍的な増加は難しい側面がある。
観光障壁
【設問8】ご家族等と東広島を観光する(した)際の懸念事項は?(複数選択可)

- 案内役となる外国人市民にとって、「言語」と「移動手段」が同率で最大の不安要素となっている。
- 昨年から引き続き宗教や習慣に配慮した「食事(フードダイバーシティ)」への対応が、案内時の大きな心理的ハードルとなっている。
- 「どこを案内すべきか分からない」といった、情報のアクセシビリティ不足を訴える声が一定数存在する。
おわりに
プロモーション促進
今回の調査では、家族を案内する際の不安として「どこを見ればいいか分からない」という声もあり、情報発信の重要性が改めて浮き彫りになりました。
これに対し、2025年10月に公開した英語観光公式サイト「VISIT Higashihiroshima」では、東広島市の観光スポットやイベント、グルメ情報を集約し、外国人市民の方々にとっても市内の魅力がより分かりやすく伝わるよう、継続的な情報発信を行っています。
今後は東広島の特色を活かし、外国人市民の方々による実際の「体験レポート」もさらに充実させていく予定です。
英語観光サイト「VISIT Higashihiroshima」:https://en.higashihiroshima-kanko.jp/
また、広域的な情報拡散を目指し、広島観光コンベンションビューローが運営する外国人観光客向けInstagramアカウントとの連携を強化し、2025年12月より、東広島の観光情報を共同で投稿する取り組みを開始しています。
これに加え、外国人市民の方々に実際に観光スポットを訪れていただき、当事者ならではの視点によるSNS発信(口コミ投稿)を促す企画も引き続き推進してまいります。
\口コミ促進企画についてはこちら/
今年度の調査では、瀬戸内エリアや日本庭園など、市内周辺部への訪問が広がりを見せていることも確認されました。次年度のアンケート調査では、新たに「観光スポットの認知経路」に関する設問を追加し、外国人市民がどのような媒体を通じて情報を得ているかを把握することで、さらなる情報発信の最適化を図ってまいります。
フードダイバーシティの推進
前回の調査結果においても、外国人市民の方々がご家族等を案内する際の懸念事項として「食事(宗教・習慣への対応)」が上位に挙げられ、また広島県全体で高まっている欧米豪を中心とした外国人観光客のニーズからも、ディスカバー東広島では今年度、国のモデル事業の採択を受け、フードダイバーシティ(食の多様性)の取り組みを推進しています。
具体的な活動として、地域の飲食店を対象とした実践的なセミナーを2回実施し、市内の飲食店において、新たにビーガン対応メニューを2店舗、ハラール対応メニューを2店舗、計4店舗で開発することができ、受入体制の着実な一歩を踏み出しました。
これらの情報を外国人観光客や市民の方々に届け、実際の利用を促進するために、現在「英語版グルメマップ」を作成しています。完成後は、外国人市民が集まる広島大学や、情報拠点である多文化コミュニケーションコーナー等に設置し、案内役となる市民が手に取りやすい環境を整えてまいります。
食の多様性への対応は、一過性のものではなく中長期的な視点での取り組みが不可欠となります。今後は策定するロードマップに基づき、周辺市町や広域団体との連携をさらに強化することで、東広島市のみならず地域全体で多様な文化を尊重する受入環境を構築してまいります。