事業報告

令和7年度 東広島市観光推進会議の開催

はじめに

東広島市内の観光協会や商工団体、交通・宿泊事業者など多様な関係者が出席する「東広島市観光推進会議」を実施しました。

実施目的

議題設定や会議後のDMOの具体的なアクションを想定し、多様な関係者との体制構築に係る当会議の実施目的を以下に設定しています。

  • 東広島市観光総合戦略に基づいたDMOアクションプランの進捗共有
  • 「持続可能な観光」への出席団体の主体的な参画機運の醸成と連携促進
  • DMOアクションへの意見収集と反映

会議概要とワンポイント

日時 2025年82114時半~16
場所 東広島市役所
委員 東広島市、東広島商工会議所、黒瀬商工会、広島県央商工会、安芸津町商工会、公益社団法人東広島市観光協会、福富町観光協会(欠席)、安芸津町観光協会、西条酒造協会、東広島ホテル旅館組合、広島県タクシー協会中部支部、西条駅前商店街振興組合

DMO主催へ

過去に当会議を実施した際は、DMOが設立から間もなく地域での活動実績や知見が組織内に蓄積されていなかったことから、東広島市役所に主催していただいていました。

設立から約5年が経過し、地域の多様な関係者との連携も進み、中長期計画であるDMOアクションプランも策定されたことから、今年度よりDMOが主催することとなりました。

行政が主催する場合、意見が観光地経営・観光地域づくり以外の領域にも及びやすく、また担当者の異動等もあるため、DMOが今後も主催することが持続的、且つ、実施の目的に沿うと考えています。

議題案の募集

多様な関係者が主体的に会議に参画し、発言していただけるように当日の議題はDMOアクションプランに基づく事項からアンケートをとり、関心の高かったものから、議題を「広島市や広島空港からの誘客促進と受入環境整備」と「周遊促進による市内滞在時間の伸長」に設定しました。

設定した上記の議題から、会議後にアクションに結び付けるため、連携した取り組みが必要となる広島空港やJRにもオブザーバーとして出席いただきました。

DMO取組内容及び成果の共有

出席者の方々に対して、観光地経営・観光地域づくりへの主体的な参画促進のため、アクションプランKGIKPI達成状況やDMO取組進捗等の資料を作成し、共有しました。

議題案の募集時に環境負荷の軽減など「持続可能な観光」への関心が低いことが明らかになったため、KGIや取組進捗の共有だけでなく、地域マネージメントやJSTS-D推進の重要性を伝える資料(4枚目)も追加し、「持続可能な観光」に対する機運の醸成を図っていきました。

ファシリテーター

会議の進行では、意見の実現性や市場ニーズなども踏まえた専門的な知見が必要となり、且つ、中立的な立場で出席者の方々から意見収集を行う必要があります。

DMOアクションプランにて設定しているターゲット層の誘客には、広島県のハイライト観光スポットである広島市との連携が不可欠となります。よって周辺市町への送客による県内滞在時間伸長、宿泊促進を戦略的に取り組まれている広島観光コンベンションビューローさまに当日のファシリテーションを依頼しました。

広島観光コンベンションビューローさまには、事前に東広島の視察も行っていただき、議題の調整等もご助言をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

おわりに

DMOアクションへ収集した意見の反映と共有

会議で収集した主な意見は以下となり、DMOアクションプランに既に記載されているもの(黒字)から、さらに強化すべき事項もあったため、今年度から早速に取り組むべき事項(赤文字・下線)を洗い出し、実行していきます。

また、DMOアクションに関して、出席者に対して次年度の会議時だけでなく、定期的に実行内容の進捗を共有していきます。

No. 施策 収集した主な意見 DMOアクション
1 ・地域資源の磨き上げ

・受入環境整備

「欧米豪観光客は長期滞在傾向があるが、広島は拠点になっていない可能性が高く、観光コンテンツの開発や受入体制の整備で対応していく必要がる。」

 

「西条酒蔵通りの資産価値はかなり高いのに未活用の土地・建物が多い。」

【インバウンド】

〇県外、国外から誘客できる酒蔵通りキーコンテンツ開発の推進

〇HIT、空港と連携した広島空港や宮島口、平和記念公園での外国人観光客への対面パラメーター調査(新規) 主な調査対象:欧米豪

2 ・受入環境整備 「ゴルフ×韓国人観光客の流入が多く、受け入れ体制(言語・マナー・宿泊施設・交通・荷物)が課題」 【インバウンド】

〇HIT、空港と連携した広島空港や宮島口、平和記念公園での外国人観光客への対面パラメーター調査(新規) 主な調査対象:アジア(「韓国xゴルフ」等)

3 ・地域資源の磨き上げ

・プロモーション

「観光資源としての日本酒、酒蔵は魅力だが、女性や酒に興味のない層への訴求が弱い。文化としての酒や酒蔵の景観を、プロモーションも含めてどう観光資源として訴求していくかが課題。」

 

 

【インバウンド】

〇「日本酒をキーとした日本の伝統と食文化のコア体験」の訴求

【国内】

〇「多様な銘柄と豊かな特産品メニューから織りなすペアリンググルメ体験」の訴求

〇公式WEBサイト「日本酒10」のコンセプト検討

4 ・地域資源の磨き上げ インバウンドを安芸津で取り組んでいくということになると、体験型メニューが提案できればと思うが今のところ具体案はない。瀬戸内の多島美という強みはある。 【インバウンド】

〇「せとうち」コンテンツの開発

5 ・受入環境整備 「西条駅前商店街は観光客利用が少なく、昼営業の店が少ない。これまでデータも様々撮ってきているが、外国人も含め観光客の利用が増えてきていないというのが直近10年の状況。」

 

「飲食店の売り上げは増えていないという現状があり、これが大きな課題と考えている。」

〇観光客をターゲットにした営業時間の調整
6 ・プロモーション 「情報集約は進んでいる。その発信方法と地域連携が重要。」 【インバウンド】

JNTOや広域DMO、県、交通事業者、周辺市町との連携促進

〇英語サイトの構築と公開

〇県や広域DMOと連携した多言語SNSからの情報発信

〇観光冊子の作成と空港や宮島口、平和記念公園などでの配架

【国内】

〇道の駅を起点にした情報発信強化

〇県と連携したコンセプト定着

〇観光マップの作成・配架と道の駅へのパネル設置、直売所等でのポスター掲載

7 ・地域資源の磨き上げ

・プロモーション

「県央はインバウンドは皆無。集客は県内ファミリー層をターゲットにしている。」 【国内】

〇「地域の魅力を再発見する親と子の学び体験」の訴求

8 ・その他 「お土産やグルメなどのコツコツしたところをやっていくといいのでは。」 〇対面パラメーター調査によるターゲット層のお土産・グルメニーズを商工団体等を中心に共有

 

議題設定とファシリテーション

市域が広く、全出席者が関係する議題とすると抽象度が増し、アクションへの反映と検証が困難となります。一方で、具体性を増すと特定の出席者との関係が薄い議題となり当事者意識の醸成が困難となります。

会議終了後の出席者へのヒアリングや組織内での振り返りにより、より良い会議体になるように改善し、必要に応じてテーマ別のワーキンググループ等も実施していきます。

地域住民への説明

多様な関係者のみならず地域住民に対しても、観光の恩恵と課題に対する取組を中心とした情報共有を講座や冊子配布、WEB報告書等から行っていきます。

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